更年期に円形脱毛症になる原因|円形脱毛症に対する予防と対処法

更年期に円形脱毛症になる原因|円形脱毛症に対する予防と対処法

更年期に入ってから薄毛に悩まされる女性は少なくなく、中には局地的に脱毛する円形脱毛症の症状が表れることもあります。

発症原因が不明な部分もある円形脱毛症ですが、更年期を迎えたことによる体質の変化や溜め込みがちなストレスなど、対策のためにはさまざまなケアが必要です。

これまで健康的な美しい髪の毛を保っていたかたが、全身のさまざまなところに不調が表れてくる40代、50代になって突然抜け毛が増えた、薄毛が気になるようになったと感じるケースも少なくありません。

特に、女性の中には単に髪の毛のボリュームが減るだけではなく、局地的にごっそり脱毛する「円形脱毛症」の症状が見られることもあります。

円形脱毛症にはいろいろな原因が考えられますが、その1つが更年期障害とされているのです。

更年期に円形脱毛症になる原因

更年期に円形脱毛症になる原因

女性の命とも言われているほど髪の毛は身体を構成する大切な部分ですから、いくつになってもそれが損なわれることにショックを受けます。

円形脱毛症の場合、後頭部にできると自身で見つけることが難しく、他者に指摘されて恥ずかしい思いをするということも少なくありません。

更年期を迎えて身体のあちこちに不調を来たしてくる時期に、美容面でも不安を抱えるのは負担も大きくなりますが、対策を行うためにも発症の原因を知っておくことが大切になります。

家庭や仕事などで抱えている日々のストレスの蓄積

更年期を迎える40代、50代の女性は家庭での夫婦関係や子どものこと、仕事上での問題などを抱えてストレスを溜め込みがちです。

精神的に安定感を欠いてしまいやすく、ちょっとしたことで必要以上に不安に思ったりイライラすることが多くなってくる場合もあります。

さらにそれがストレスを増加させ、心に大きく負担をかけてしまうことになりかねません。

円形脱毛症は年齢を問わず、強いストレスを受けた時に発症することでも知られています。

更年期障害になるとこのストレスをより強く感じやすくなることで罹患のリスクが上昇、自己免疫器官にも悪影響を及ぼし、健康な細胞組織を攻撃して損ねてしまうこともあるのです。

頭皮の毛根も同様で、ストレスから免疫機能が正常に働かなくなり、ヘアサイクルを狂わせて元気な髪の毛を脱毛させ、頭皮や髪の毛のトラブルを招きます。

冷えや血行不良による頭皮環境の悪化

女性は若い頃から身体の冷えに悩まされがちですが、更年期に入ってその症状を悪化させるかたも少なくありません。

夏場でも手足が冷える、常に上着1枚持ち歩いていないと不安だ、そんな冷えは血行不良が原因で、血液だけではなく酸素や水分、栄養やホルモンを身体にスムーズに循環させることが困難になってしまいます。

当然、頭皮の毛根を健康に育てるためにも血液が必要になります。

しかし、更年期障害による血流不足で頭皮に十分に行き届かず、髪の毛が徐々に痩せ細っていき抜けやすい状態に変化、脱毛が局地的に発生して円形脱毛症に発展するケースが見られるのです。

特に、肩こりや首こりが気になる女性の場合、その上に乗っている頭への血液循環が悪くなっていることで、薄毛や脱毛に繋がりやすくなります。

本来健康であれば青白いはずの頭皮が冷え切って赤くなっていたり、頭皮を指の腹で揉んでみると硬くなっていて動かないといった症状も血行不良の特徴です。

女性ホルモンの分泌量低下によるコラーゲン不足

女性の更年期障害の主な原因は急激に分泌量を減らす女性ホルモン、エストロゲンの量の低下によるものです。

子宮や卵巣の機能の発達や丸みのある女性らしい身体作りのために働くこのエストロゲンは、肌のハリやツヤを保ったり髪の毛を太く丈夫に育てるためにも不可欠となるホルモンになります。

その量が少なくなることで、限られたエストロゲンは生命活動に必要な器官に優先的に利用され、直接関わりのない髪の毛に関しては後回しになってしまうのです。

髪の毛のコシやハリを生むコラーゲンの生成にも必要なエストロゲンが大きく不足してしまうことで、抜け落ちやすい状態になります。

この場合も、頭皮の一部に脱毛の症状が表れることが珍しくありません。

エストロゲンの分泌量低下により、美しい髪の毛作りに不可欠なコラーゲンが足りなくなるだけではなく、自律神経のバランスが悪くなってストレスを溜め込みやすくなり、血行も悪化させます。

また、脱毛を気にしすぎると、さらに精神の負担がホルモンバランスに悪影響を及ぼし、円形脱毛症を悪化させかねません。

円形脱毛症に対する予防と対処法

円形脱毛症に対する予防と対処法

更年期障害の症状は人によってさまざまで、心身のいろいろな部位に不調を感じているかたもいれば、健康的に過ごしているかたも大勢います。

女性は必ずしも大切な髪の毛が損なわれるわけではありませんし、円形脱毛症に関しても十分に予防することが可能です。

大切なのは、更年期を迎えたことでこれまで以上に気を引き締めて健康維持に努めていくこと。

心身が元気であり続けることで、髪の毛を美しい状態でキープしていくことが期待できます。

ストレスを発散する方法を見つける

ストレスはホルモンバランスを欠き、免疫機能の働きを低下させ、頭皮だけではなく心身の健康を脅かします。

だからこそ、溜め込みやすい更年期の女性は必要以上に抱えないように、うまく発散させていく習慣を身につけていくことが何よりも大切です。

年齢を重ねると行動もパターン化しやすく、新しいことを始めたり交友関係を広げることも意識しなければできません。

ですが、打ちこめる趣味を見つけて思いっきり楽しんだり、仲のいい友人を見つけてたくさんの居場所を設け、会話や食事に興じることができれば何よりも心の栄養になります。

スッキリした、面白かったという感情こそ鬱々とした気持ちを発散させるために不可欠です。

また、いろいろなことがあった1日の心身の疲れを癒すためにも、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。

睡眠中に疲労を回復、自律神経を正し、免疫機能を整えることができますので、脱毛を防ぐためにも毎日7時間程度、気持ちよく眠れる工夫をしてください。

身体を冷やさないように心がけて頭皮マッサージも取り入れる

発症のメカニズムが不透明な部分も多い円形脱毛症ですが、更年期の女性が特に気をつけておきたいのが冷えの予防です。

身体を冷やすことがないように露出を控えたり、お風呂はシャワーで済ませずになるべく湯船に浸かること、座っている時にはひざ掛けを利用するなど、自覚症状があるかたは薄毛予防のためにもより身体を温めるように心がけてください。

また、入浴時には頭皮の血行を促進するために頭皮マッサージを取り入れることも有効です。

日々繰り返しマッサージを行うことで徐々に硬くなった頭皮を柔らかくし、温かい血液を送り込みやすい状態に整えられます。

シャンプー時に指の腹を使い、頭蓋骨から頭皮を引き剥がすような感覚で揉んでいきましょう。

薄毛対策に育毛剤を塗布している場合には、血流を促進させることで浸透率を上げてより高い効果を期待することができます。

バランスを考慮した食生活を心がける

40代、50代になると食の好みや食卓に乗るものの傾向がハッキリして、気がつけばいつも同じような食材を使って同じような調理を繰り返しがちです。

これにより、知らず知らずのうちに栄養が偏ってしまっている場合もあります。

円形脱毛症の予防のためには、健康な髪の毛を育てる栄養をしっかり摂ることを考えていかなければなりません。

今一度、食事内容を見直して対策に努めましょう。

薄毛はもちろん、生活習慣病予防やホルモンバランスの調整などにも必要になります。

髪の毛を育てるためには主成分であるケラチン生成のためのタンパク質や亜鉛、ミネラルといった栄養がポイントです。

女性ホルモンの働きを助ける大豆イソフラボンを含む大豆製品が豊富なタンパク質を含んでいますから、摂取しやすい和食中心の食生活に切り替えるといいでしょう。

皮脂過多で薄毛に繋がりやすくなる動物性脂質の摂取を控えつつ、カロリーを抑えた食事内容になりますので、ダイエット効果を期待することもできます。

また、不足を感じている栄養はサプリメントで補うこともおすすめです。

食事の内容とバランスを整えることが、更年期障害の不調の原因となるホルモンバランスを整えることにも繋がります。