日常生活で起きるちょっとした出来事に対して、今までは気にならなかったにも関わらず急に気になりだしてイライラしていたら、更年期症状を疑う必要があります。
エストロゲンの減少により自律神経のバランスが乱れている状態ですから、イライラの原因を探すよりも精神的に落ち着くことが重要です。
更年期症状は最大10年程度で落ち着き気にならない状態となるので、無事に10年間を乗り切るために自分に合った方法で緩和すると良いです。
実際の更年期症状に対する対処方法は、食事改善・運動量の確保・更年期サプリ・ホルモン療法といった手段があります。
目次
セロトニン不足をカバーする方法を試してみよう
更年期症状を引き起こす際にイライラについては、セロトニンに注目すると対処方法を見つけやすいです。
ストレス物質として知られるノルアドレナリンをコントロールする役割を持つセロトニンは、女性ホルモンエストロゲンが生成に大きな影響を及ぼしているので、更年期症状としてよく表れやすくなります。
日常生活でリラックス出来る環境を整えれば、自然とイライラ感を軽減させることが出来ます。
毎日規則正しい生活を心掛けつつ、どうしたらリラックスしやすいのか自分自身で落ち着く方法を試してみると良いです。
食生活と規則正しい生活でセロトニン量を増やそう
セロトニン不足をカバーするためには、食生活に工夫を行うと良いです。
イライラ感は本人が気が付かないうちに周囲を巻き込んでいることが多いので、カルシウムを含む食品を意識的に取り入れることである程度軽減出来ます。
また、ストレスによりノルアドレナリンが増えてしまうと解消するためにビタミンCが多く体内で消費されてしまうので、フルーツや野菜から天然ビタミンCを摂取すると良いです。
ビタミンCは水溶性ですから、過剰摂取になる心配が無いために意識的に多く取り入れても問題ありません。
また、毎日同じ時間に起床して朝日を浴びるようにすれば、体内時計をリセットして自律神経を整える役割を果たします。
アロマテラピーなら好きな香りで気分が落ち着く
アロマテラピーならば、好きなエッセンシャルオイルを選ぶことで心を落ち着けて穏やかな気持ちになれます。
香りを変えることで様々な効果を得られるので、イライラ感だけでなくぐっすり眠りたい時にも便利です。
ハーブティーと組み合わせることで、ノルアドレナリンが増えてしまいすぎないように調整し、セロトニンに頼らずに心を落ち着けることが出来ます。
人は香りに対しては慣れてしまいますが、複数のエッセンシャルオイルを使い分けることにより、慣れを防止しつつ精神的な落ち着きを得られるので更年期症状の緩和に使ってみると良いです。
エストロゲンに類似する働きをする成分を摂取する
女性ホルモンのエストロゲンが卵巣から分泌される量が急激に減ることで発症する更年期障害は、ホットフラッシュを引き起こすだけでなく初期の頃からイライラが出ます。
エストロゲンを直接補うホルモン療法もありますが、医師の処方の下で副作用の管理もしなければならないので症状が重くないうちは、エストロゲンに似た成分を摂取することで症状緩和を狙えます。
大豆イソフラボンを含む食品を取り入れよう
大豆イソフラボンは、大豆製品に含まれる成分であって、腸内細菌と反応すると体内に取り込まれた時にエストロゲンに似た働きをします。
女性ホルモンの中でもエストロゲンは、女性にとって自律神経を調整するだけでなくセロトニン分泌にも関わっていますが、似た成分であっても体内では同じ働きが可能です。
サプリメントとして大豆イソフラボンを摂取することも可能ですが、豆腐や納豆製品といった身近な所にある食品からも摂取出来ます。
大豆イソフラボンは、一度に大量摂取するよりも毎日こまめに食べ続けることが重要です。
更年期対策サプリなら最初からエストロゲンに似た働きをする成分が含まれている
更年期対策サプリとして販売されている製品ならば、最初からエストロゲンに似た働きを体内でしてくれる成分が含まれています。
更年期症状としてイライラが起きてしまう状況は、急激にエストロゲンが減少するからであって、緩やかな減少ならばイライラを生じにくくなるわけです。
エストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボンを始めとした成分が豊富に配合されている更年期対策サプリならば、最初から目的に合わせた利用が出来ます。
食品からの摂取が最も理想ですが、忙しい現代人にとっては手軽に服用できる更年期対策サプリは頼もしい存在です。
運動をしても改善されなければ医療機関へ
更年期症状としてイライラが出ている人は、共通して運動不足の傾向が強いことが分かっています。
スポーツにはストレス発散効果が高いことはよく知られていますが、更年期症状の出方は個人差が大きく、スポーツ選手やトライアスロンを趣味で行っている人には更年期症状が全く無い人も多いです。
特に有酸素運動を積極的に行っている人ほど更年期症状自体を感じず、明るくて元気に家族にも接していることからも、ストレスを溜めない環境作りが大切です。
長時間の有酸素運動ほどイライラ改善に役立つ
長時間の有酸素運動を行うトライアスロンやマラソンにチャレンジしている人は、ランナーズハイを経験しているようにストレスを感じにくい傾向が強くなります。
日常生活で生まれる不満に対して、ノルアドレナリンが少なければ最初からストレスに感じることがありません。
有酸素運動を伴うスポーツを真剣に趣味として行っている人ほど、好きなスポーツで汗を流して気分良くなっているのでストレスに対する抵抗力が高まります。
ストレスを最初から感じにくければ、自動的にイライラも減るので更年期症状を緩和出来るわけです。
運動してもイライラ改善出来なければホルモン療法を検討しよう
食事改善やアロマテラピーだけでなく、有酸素運動を積極的に行いストレスを発散させても改善されないイライラは、エストロゲンの急激な減少が主原因です。
エストロゲンの減少速度には個人差が大きいので、他の方法で補える以上に減少幅が大きければ医療機関にてホルモン療法を受ける方法があります。
医師による診断と処方が必要になりますが、直接エストロゲンを補う注射を行うことで血中エストロゲン量を更年期症状が起きない水準まで引き上げることが可能です。
そもそもの更年期症状が、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少することで起きるわけですから、エストロゲンを補い続ければイライラを始めとする更年期症状が無くなります。
更年期症状が酷い時には、一時的な処置としてホルモン療法を行うことで元通りの生活に戻ることが出来ます。
医師と相談しながら、食事改善と運動療法による更年期症状の緩和ケアへ繋げて行けば良いわけです。
ホルモン補充療法に関しては、別ページで詳しく解説しています。もし、サプリなどで改善が見られないなら受診してみましょう。