更年期の蕁麻疹(じんましん)の原因とは?予防策・対応策も徹底解説

更年期の蕁麻疹(じんましん)の原因とは?予防策・対応策も徹底解説

今まで蕁麻疹に悩んだことはほとんどなかったのに、更年期に入っていきなり蕁麻疹が強く出始めた、という女性は多いのではないでしょうか。

更年期障害というとイラつきやほてりが症状として挙がりやすいものの、蕁麻疹も人によっては発症しやすい症状です。

蕁麻疹はかゆみを伴いやすく、それが余計にイラつきを増幅させることも珍しくありません。

そこで、蕁麻疹を解消するための方法を原因と一緒に探ることで、少しでも症状を軽くする方法を調べてみましょう。

更年期障害の蕁麻疹(じんましん)の原因とは?

更年期の蕁麻疹(じんましん)の原因とは?

更年期は女性ホルモンが減少することで、様々な体の不調を引き起こしやすい時期です。

加齢によるものと簡単に片付けることはできますが、原因についてしっかりと把握していれば何らかの対策を講じることも可能です。

そこで、蕁麻疹が発生する原因について調べてみましょう。今までの体とどう違うのか、特に免疫力にフォーカスを当てることで、蕁麻疹の発生について把握してみましょう。

エストロゲンの減少と女性ホルモンの乱れ

女性は年齢を重ねるごとにエストロゲン、つまり女性ホルモンの分泌量が減少していきます。特に40歳を迎える頃に徐々にエストロゲンは減少し始め、それに伴い自律神経に乱れが生じ始めるのです。

更年期とは、この女性ホルモンが減少し始める時期を指す言葉であり、女性ホルモンの減少がほぼ底を打った状態は老年期となります。

また、個々人でエストロゲンが減少する時期は多少変動するため、更年期が若干ずれる場合もありえます。

このエストロゲンの減少は、卵巣機能の低下が原因とされています。

脳が性腺刺激ホルモン放出ホルモンを分泌し、それに応じて卵巣がエストロゲンを分泌し、正常なホルモンバランスを保つ形です。

しかし、エストロゲンが減少するということはその循環がうまくいかなくなるということでもあり、結果的にホルモンバランス全体が崩れてしまうのです。

ホルモンバランスが崩れることで免疫力も低下しますし、今までなかったアレルギー反応が起きてもおかしくはありません。

自律神経が常時乱れる

脳からの命令により女性ホルモンが分泌されますが、女性ホルモンの分泌量が下がることで、体の異常に脳が気づき始めます。

今までは分泌されたものが分泌されない、脳からの命令に応えない、こうした要素がイラつきやほてりへと変わっていくのです。

元々脳には女性ホルモンの分泌量をコントロールする役目があるため、分泌料の少なさをカバーするために今まで以上に強力な指令を出したり、パニックに陥るとも考えられます。

元々蕁麻疹は、生活習慣の乱れで自律神経が乱れた際にも発生する症状です。

それが女性ホルモンの減少により常時自律神経が乱れているとなれば、蕁麻疹ができやすくなっても不思議ではありません。

特に皮膚の弱い箇所などは、蕁麻疹ができやすい部位となります。

寒冷蕁麻疹

体温調節がうまくいかず、寒気やほてりが発症しやすい状態では、寒冷蕁麻疹と呼ばれる体の冷えからくる蕁麻疹も発生しやすくなります。

特に体が冷えやすい冬に症状が強く現れることが多くなり、頻繁に体を温めていないと蕁麻疹が収まらない場合もありえます。

また、体の冷えというと冬にのみ発症する蕁麻疹をイメージするかもしれませんが、夏場にエアコンの風にあたった瞬間蕁麻疹ができ始めたり、冷たいものを体に当てると蕁麻疹ができるという場合は寒冷蕁麻疹の可能性が高くなります。

蕁麻疹自体は元々冷やすことで症状を抑えられるものなので、本来の状態とは真逆と考えると寒冷蕁麻疹の厄介さがわかるのではないでしょうか。

寒冷蕁麻疹に対しては、患部を温めることで症状を緩和できます。

しかし、元々が自律神経の乱れから来ているため、症状を根本から改善したとは言えません。

更年期障害とはいえ、ずっと蕁麻疹が発生するのは辛いものがあるため、どうしても辛い時には皮膚科のお世話になることも検討しておきましょう。

蕁麻疹(じんましん)を起こさない予防策・対応策

蕁麻疹(じんましん)を起こさない予防策・対応策

蕁麻疹は免疫力の低下やアレルギー反応も影響しますが、ストレスや精神的な問題で症状が悪化することもありえます。

更年期障害全般に効果的なサプリメントや食事を取ることはもちろんですが、リラックスできる状態を作ることで蕁麻疹を作りづらい体を目指すことも検討しましょう。

そこで、更年期における基本的な蕁麻疹対策について紹介します。

サプリメントや食事で体質改善

女性ホルモンをカバーしてくれる成分に、エクオールと呼ばれる栄養素があります。

体内で生成できる成分でもありますが、女性でも生成できる人数はおおよそ2人に1人であり、サプリメントなど外部から摂取することが大切です。

エクオールを軸にした更年期サプリも多数開発されているため、サプリメント選びには困らないでしょう。

食事から摂取する場合、豆腐や納豆など大豆食品から摂取するのが基本となります。

エクオールの摂取は更年期障害全般に効果的なため、蕁麻疹対策以外にも効果が見込めます。

イラつきを抑えてくれたり、ほてりや寒気対策になるなど、蕁麻疹関係なく更年期になったら摂取したい成分でしょう。

また、女性には嬉しい美肌効果もエクオールにはあります。

具体的には、女性ホルモンの減少で肌のたるみやシワが発生するのを抑えてくれるため、若々しい肌を取り戻すのに効果的です。

ストレス対策や肌ケアを始める

更年期はただでさえ、様々な不安やストレスが襲いかかってきやすい時期です。

将来の不安や子育てがある程度終わったことによる生活の変化など、今までと生活環境が変わることでストレスを抱えやすいのです。

そんなストレスはイライラとなり、蕁麻疹によるかゆみが残る患部を無理に掻いてしまうことで、症状を悪化させることもありえます。

いかに気持ちを落ち着かせられるかを考え、新しいことにチャレンジしたり、アロマや入浴によるストレス解消方法を試してみたりと色々と動いてみましょう。

また、更年期に差し掛かると若い頃よりも化粧水を丁寧に使わなくなった方も多いのではないでしょうか。

化粧水には肌に潤いを与えてダメージから守る働きもあるため、保湿効果の高い化粧水は蕁麻疹対策として有効です。

免疫力が落ちるとちょっとした刺激で肌荒れを起こしやすくなるので、今まで以上に潤いケアを心がけると良いでしょう。

皮膚科に相談する

自分だけではどうしようもなくなった場合は、皮膚科に相談をしてアドバイスを貰う方法も有効です。

また、更年期に入ってアレルギー反応が強く出るようになった場合、どう体質が変わったのかを確認するには病院に行くしかありません。

今後の体質と付き合っていく目的でも、免疫力の低下がどう影響しているのかを調べてみると良いでしょう。

また、病院に足を運ぶことで直接治療を受けることもできます。

代表的なのはホルモン補充療法で、不足した女性ホルモンを注入しホルモンバランスを保つというシンプルな方法です。

ホルモンバランスを整えるため自律神経も正常化し、蕁麻疹を抑える効果が期待できるでしょう。

また、蕁麻疹に対して鋭い効果があるとはいえませんが、漢方による治療方法もあります。

体の内側から徐々にホルモンバランスを整えていく漢方は健康にもよく、更年期障害で服用されている方も珍しくありません。

蕁麻疹は原因不明なまま発生することも多く、漢方やホルモン補充療法に限らず、様々な方法を試すことが大切です。