更年期に入り、口臭の問題に悩まされたことはないでしょうか。
歯磨きをしっかりとして、匂いの強い食べ物を普段食べていなくても、更年期に入って口臭が強くなるケースは珍しくありません。
口臭が気になりすぎると、人と話すことが怖くなってしまったり、会話をする頻度が下がりかねません。加齢によるものと諦めず、できることから始めてみましょう。
目次
更年期に口臭がきつくなる原因とは?
女性の更年期は、女性ホルモンが急低下しホルモンバランスが保たれなくなることで、様々な体の不調を呼び込む時期でもあります。
そこで、なぜ更年期に入ると口臭がきつくなるのか、具体的な原因を突き止めることで自分にできることを考えてみましょう。
ホルモンバランスの変動
元々口内環境は、ホルモンバランスの変動による影響を受けやすい部位でもあります。
月経時や妊娠中など、ホルモンバランスが変化を迎えるタイミングで口臭がきつくなった、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ニオイの原因となるガスが女性ホルモンと共に増加し、急激に口臭がきつくなってしまうのです。
更年期は女性ホルモンが急低下することで、口内環境も変化し、途端に口臭が強くなってしまいます。
また、ホルモンバランスが乱れて口内の免疫力が低下し、細菌が繁殖しやすい口内環境になってしまった可能性も否定できません。
これまでと同じ口内ケアをしてもニオイがきつくなる原因はここにあり、場合によっては繁殖した細菌により歯周病を患ってしまう恐れもあるのです。
口内の疾患はニオイを伴うことも多く、歯周病も例外ではありません。
免疫力の低下が招いた病気が口臭を招く負の連鎖へ繋がる恐れがあるため、更年期に入ったら今まで以上にケアを行うことが大切なのです。
ストレスで唾液の分泌量が減少する
緊張をして口が乾いてしまったり、極度のストレスを抱えていつの間にか唾液が少なくなった経験は誰にでもあるでしょう。
更年期障害では、イラつきや自律神経の乱れによるストレスの増大など、口内環境を悪化させる要因がいくつも揃っています。
精神面が不安定になることで唾液の分泌量が減少し、口臭を悪化させてしまうのです。また、口内の潤いを保つ唾液は35歳から徐々に減少し始めます。
これも更年期の口内環境の悪化に拍車をかけており、年を重ねて口臭を指摘される人が多い原因にもなっているのです。
また、女性ホルモンの働きの一つが唾液の分泌とも言われています。
本来唾液を分泌するはずだった女性ホルモンが減少しては唾液も十分に分泌されませんし、口臭が強くなっても致し方ありません。
ストレスによる分泌量の減少と女性ホルモンによる分泌量の減少、2つの要素が重なっている可能性も否定できません。
免疫力の低下で病気が増える
更年期は女性ホルモンの減少により、自律神経が乱れ免疫力が低下しやすい時期です。
免疫力の低下は病気を招き、今まで健康体そのものだった女性が疾患に悩まされるケースは少なくありません。
例えば、40代半ば以降は虫歯や歯周病が増加するともいわれており、これは免疫力の低下によるものです。
虫歯や歯周病は放置すると口臭が強くなるだけでなく、食事にも悪影響をもたらします。
食事量の減少は唾液の分泌量の減少にも繋がるため、さらに口臭を加速させてしまいます。
また、糖尿病など口が乾きやすい病気を招き、それが口臭を発生させている可能性もあります。
糖尿病自体も厄介な疾患ですが、この場合口内は問題がないため、意外と症状に気が付きにくいのです。
更年期を迎えて急に喉が渇くようになった、唾液の減少が実感できるという方は、何らかの病気を抱えている可能性を考えて一度病院で診察を受けることが大切です。
口臭を改善するには何がオススメ?
一度気になりだすとキリがない口臭ですが、改善するためにできることから始めていきましょう。
単なるブレスケア以上に、体を労ったケアを施すことで、口臭以外の更年期障害の問題も解決できるかもしれません。
その他の更年期障害の対策と被っている部分もあるので、更年期に悩む女性全般におすすめできる対策ばかりです。
女性ホルモンを補う
女性ホルモンの減少が唾液を減少させているのなら、不足している女性ホルモンを補うことで解決してしまおうというのがこの方法です。
事実、更年期障害は女性ホルモンの減少によるホルモンバランスの乱れから来るところが大きいので、口臭対策としても更年期障害対策としても効果的な考え方です。
具体的には、女性ホルモンを補うエクオールサプリメントを飲むこと、ホルモン補充療法を試すことで女性ホルモンを注入する方法があります。
特にエクオールは、自力で生成できる人とそうでない女性に分かれます。体質に左右されやすい問題なので、積極的に外部から摂取したいところでしょう。
また、エクオールは糖尿病のリスクを抑えるなど、幅広い分野で高い効果が期待できる成分です。
誰もが避けられない更年期の女性ホルモン不足という問題に対して非常に心強い味方となってくれる存在といえるでしょう。
歯磨きや食事から改善する
口臭対策としてイメージしやすいのは、やはり歯磨きや食事から改善することでしょう。特に歯磨きにおける舌苔の除去は効果的です。
舌苔とは、舌の上に残っている苔状のものであり、老若男女多くの人の口臭は舌苔が原因で発生しています。
普段歯磨きで歯は綺麗にしても、舌まで丁寧に磨いている方は少ないのではないでしょうか。舌苔を取り除くには、直接専用ブラシで舌を磨く方法が効果的です。
ただし、強く磨きすぎると逆効果なので、優しく丁寧に舌を綺麗にしていきましょう。
食事から改善する場合、咀嚼回数を増やしたり、水を飲む回数を増やすことがポイントです。
咀嚼回数を増やせば唾液量も増えますし、水分補給をこまめに行えば口内の乾きを抑えられます。
また、咀嚼回数の増加は虫歯予防になったり、消化を助けるなどメリットが大きく、ただ口臭を改善する以上に様々な効果が期待できます。
根菜などしっかりと噛む必要のある食べ物を食卓に並べたりと、食生活にも気を配るとなお効果的でしょう。
ストレス対策を実践する
ストレスを抱えている時は交感神経が優位となり、常に体が緊張した状態になります。
更年期に差し掛かるとこの傾向が強くなり、自律神経が崩れることで交感神経が優位になりやすくなります。
ただでさえ、更年期は感情の振れ幅が激しくなりやすい時期なので、不安定な感情がストレスとなり唾液が少なくなりかねません。
そこで、リラックスした精神状態を保てるようストレス対策を実践しましょう。
人によってストレス解消法は異なりますが、運動は気分転換と健康的な体作りにうってつけなのでおすすめです。
有酸素運動を行ったりジム通いを始めてみたり、自分のペースで運動を始めてみましょう。
育児や仕事が一段落した方は何か趣味を見つけてみたりと、没頭できる何かを見つけることもストレス対策になります。
また、生活リズムが崩れている方は、食事や睡眠の質を高めてみましょう。特に睡眠の質はストレスに直結するので、寝具や睡眠時間にこだわることをおすすめします。