更年期障害とPMS(月経前症候群)の違いとは?

更年期障害とPMS(月経前症候群)の違いとは?

生理前に女性がイライラしたり精神的に不安定になることは、男性であっても気づくほど既に広く知られています。

しかし、PMS(月経前症候群)がなぜ起きるのか、正確な理由を知っている人は少ない現状です。

2つの女性ホルモンバランスが崩れることで身体的・精神的に様々な不調が発生する理由になり、対処方法が異なります。

更年期障害とPMSは一見すると症状が似ていますが、根本原因が異なるので違いを知っておくと良いでしょう。

では、両者の違いとしてどのようなものがあり、どうすれば良いのかみていきましょう。

PMS(月経前症候群)は2つの女性ホルモンのバランスが逆転する時期に起きる

PMS(月経前症候群)は2つの女性ホルモンのバランスが逆転する時期に起きる

PMS(月経前症候群)は、エストロゲンとプロゲステロンの2種類ある女性ホルモンの血中濃度が逆転するタイミングで発生することが分かっています。

人によりPMSと呼ばれるほどの症状が出るかどうか個人差が大きいので、生理前になるとイライラしていると思われがちです。

年代により症状の表れ方が大きく変わるので、基本的な仕組みを知っておくことが大切です。

プロゲステロンの量がエストロゲンよりも多くなることが原因で起きる症状がPMSだと知れば、各個人ごとにバランスが違うために症状も変わります。

20代は身体的な症状が出やすい

20代では、PMSにより起きやすい症状として、乳房の張り・肌荒れ・腹痛・頭痛といった直接身体に現れる症状が中心です。

筋肉や関節の痛み・疲れやすいといった症状も合わせて起きることも少なくありません。

生理の5日前に始まり、生理開始から4日以内に症状が収まるならば、典型的なPMSだと考えられます。

30代は精神的な症状が出やすい

30代では、20代の時に表れていた身体的な症状に加えて精神的な症状が個人差はあるものの表れるようになります。

情緒不安定・イライラ・憂鬱・気分のムラ・集中出来ないといった精神的な症状が、頭痛や肌荒れと共に表れるのでつらい症状になりやすいです。

20代の頃よりも更に強い症状が表れやすくなるので、リラックスを心掛けないと精神的に更に辛くなりかねません。

更年期障害は急激なエストロゲンの減少が原因

更年期障害は急激なエストロゲンの減少が原因

更年期障害は、女性にとって不可欠な女性ホルモンのうち特にエストロゲンが急激に減少することで発生します。

動悸・息切れ・ホットフラッシュ・感情の波が発生するなど、身体的・精神的な症状が一気に押し寄せる傾向が強いです。

エストロゲンの急激な減少は、卵巣機能が老化に伴い急速に低下することが原因です。

日本人の場合には50歳前後で閉経を迎えるので、中高年女性を中心として症状が強く出やすくなります。

エストロゲンの減少が急激なほど更年期障害の症状も重い

初潮が始まる時期にバラツキがあるように、閉経時期についても個人差が大きく最後の生理日とその場で確認出来るわけではありません。

1年間生理が無いことを確認して初めて閉経を迎えたと分かるので、更年期障害の症状が出ている人は既に5年前から悩まされていることになります。

更年期障害として表れる症状には、身体的なものと精神的なもの両方があるだけでなく個人差が極めて激しいです。

実際に更年期障害を一切感じない女性もいるので、主な違いはエストロゲンの減少割合だと考えられます。

緩やかにエストロゲン分泌量が落ちて行けば、更年期障害の症状がほとんど出ないわけです。

更年期障害は閉経時期を挟んだ前後5年ずつのみ

更年期障害が表れるのは、閉経時期を挟んだ前後5年ずつの急激なエストロゲン減少によります。

閉経時期は個人差が大きいために、PMSと症状が共通している部分もあるので一見すると分かりにくいです。

しかし、更年期障害はPMSとは異なり継続して緩やかに症状が継続するので、生理開始後から4日以内に症状が無くなるPMSとは違います。

更年期障害は10年間という長い期間継続して症状が出ることになるので、周期的に訪れる程度の症状ならば更年期障害では無い可能性があります。

様々な更年期障害に対する対策方法が考案されているので、食事療法・運動療法・薬物療法といった複数の方法から合った方法を選ぶと良いです。

更年期障害とPMS(月経前症候群)を見分けて対処方法を変えよう

更年期障害とPMS(月経前症候群)を見分けて対処方法を変えよう

更年期障害とPMS(月経前症候群)は、精神的症状と身体的症状が似ているケースがありますが、基本的に期間に違いがあります。

更年期障害は閉経時期を挟んだ前後5年ずつですが、PMS(月経前症候群)は生理5日前から生理開始4日後以内と長くても9日間程度で収まるわけです。

リラックスを心掛けてもなかなか症状が改善しない場合には、医師の診察を受けてみると良いです。

PMS(月経前症候群)に対してはピル処方により症状を緩和させる方法があり、更年期障害に対してはリスクはあるもののホルモン療法があります。

医師の診察を受けてどらちが原因なのかハッキリすれば、対処方法が見えてくるでしょう。

PMS(月経前症候群)ならばピル処方中は症状が軽くなる

PMS(月経前症候群)の症状が表れていて日常生活に支障が出ているならば、ストレスを溜めずにリラックス出来るようスポーツを始めてみると良いです。

交感神経と副交感神経のバランスが取れて、運動によりリラックス効果と新陳代謝アップを狙えるので、女性ホルモンのバランスが崩れにくくなります。

運動療法やリラックスを心掛けても改善が見られなければ、低用量ピルを処方してもらい生理周期をコントロールすると良いです。

ピルの中には疑似月経を3ヶ月に1度の周期に減らせるタイプも登場しているので、毎月PMS(月経前症候群)の症状に悩まされているなら試してみると良いです。

医師の管理下でピル処方を受けていれば、体調の変化を随時医師に相談出来るので複数あるピルの中から自分に合ったタイプを見つけられます。

*最近カレと話し合って、ピルを飲むことにしました。ドキドキで婦人科へ行ったら、先生が避妊や病気のこともいろいろ説明してくれて。PMS気味だったので、ピルはその治療にも有効と聞き、ラッキー!(まるみん・24才)

出典:「ピル=避妊」だけではない!正しい服用方法と効果-生理用品のソフィ

更年期障害に対しては複数の方法がある

更年期障害は1度始まってしまうと、エストロゲン分泌量を卵巣から増やすことは出来ないので、症状緩和を優先することが大切です。

新陳代謝が活発な女性やスポーツ選手ほど、更年期障害を起こさない人が多いことはよく知られています。

適度な運動を行うことで、交感神経と副交感神経のバランスが常に保たれるようになるので、女性ホルモンのバランスが崩れても体調に影響が出ません。

エストロゲンの分泌量が下がる原因は、卵巣機能が加齢により低下しているにもかかわらず、視床下部にある脳下垂体からの分泌命令が出過ぎることです。

脳が混乱しない状態を保つことができれば、交感神経と副交感神経のバランスが維持できるので、更年期障害は起きにくくなります。

PMS(月経前症候群)は更年期障害を乗り切る練習だと考える

PMS(月経前症候群)にはピル処方、更年期障害にはホルモン療法という最終手段があるので、症状が出る期間の長さを比較してどちらか確定させると良いです。

自分で判断が出来なければ、医師の診察を受けることでどちらか判別してもらえるだけでなく、まずは運動療法を試すことを勧められます。

自律神経のバランスが保たれる状態を維持出来れば、女性ホルモンのバランスが崩れた状態を避けられるので、落ち着いた生活を取り戻しやすくなります。