男性の更年期障害に関してはあまり馴染みがない方も多いと思いますし、それ自体があることを知らない方も少なくないと思います。
しかし、一定の年齢に達した男性が患う気力低下や性機能の低下には身に覚えのある方も多いと思います。
それらの症状の根本的な原因となっているのが、ホルモンバランスの乱れからくる更年期障害の可能性が大いにあるのです。
正しく検査して正しい治療を行えば改善されていく病となっていますので、まずは男性更年期障害の検査や治療に関する正しい情報を理解する必要があります。
これらを踏まえ、この記事では男性更年期障害の検査や治療に関する情報を中心にお伝えしていきたいと思います。
目次
男性更年期障害の症状別の受診先は?
男性更年期障害では、勃起障害などの性機能の不調、気力低下、うつ状態、多汗、ほてり、めまい、不眠、疲労感など、ホルモンバランスの乱れによって様々な症状が引き起こされる場合があります。
また、男性更年期障害は女性の更年期障害と違って一定の期間で自然に改善されていく病ではありませんので、改善させたい場合は更年期障害と疑われる症状が現れた時点で速やかに診察や治療を受ける必要があります。
このことを踏まえまして、ここでは更年期障害の疑いを感じた場合の症状に応じた受診先についてお伝えしていきます。
めまい・頭痛などは【内科】
体調不良の症状がめまい、筋肉痛、頭痛など、具体的な症状を感じた場合は内科で診てもらうようにしてください。
このような体に起こる場合は、日常的な疲れや加齢のせいだと思い込んで放置してしまうケースも多いと思いますが、正しい治療を行わないと症状が悪化してしまったり、他の病気を引き起こしてしまう可能性もあります。
ホルモンの低下は糖尿病や高血圧などの生活習慣病やメタボのリスクを高めてしまう場合がありますので、更年期障害の疑うような症状が現れたら早めに受診してください。
頻尿・男性機能の低下なら【泌尿器科】
男性機能の低下や頻尿などの症状を感じた場合は、泌尿器科で受診をしてください。
男性更年期障害の場合は、全く勃起しない、勃起した時の硬さが不十分、勃起が長続きしないなどの性機能に不調をきたすED(勃起障害)を引き起こす場合が多くあります。
また、EDは更年期障害だけではなく、動脈硬化によって引き起こされる場合もありますので、性機能に不調を感じたら放置せずに専門知識のある医師に診てもらうのが望ましいと言えます。
うつ・イライラ・倦怠感は【精神科・心療内科】
うつの症状やイライラ、気力が湧かないなどの症状がある場合は、精神科や心療内科を受診してください。
男性の更年期障害は他の病気と間違いやすい症状が現れるため、治療しても病状が改善されないケースもあります。
なので、しっかりと診断してもらうためにも男性更年期障害に詳しい専門医がいる病院を選ぶようにしてください。
男性更年期障害を病院で治療する場合の費用
更年期障害の疑いで様々の症状が現れた場合は、専門的な知識を持つ医師によって正確な診断をしてもらう必要があります。
一定の年齢までになった際は、更年期障害の症状が現れていない場合でも更年期ドックなどの精密検査を受けてみることが望ましいと思います。
しかし、更年期障害の検査や治療は決して安い費用となっているわけではなく、受診する医療機関によっては高額の費用が掛かってしまう場合もあります。
なので、ここでは男性更年期障害の疑いで医療機関を利用した場合の検査費用と治療費用に関する情報をお伝えしていきたいと思います。
検査費用
男性更年期障害の診断を受ける際は、医師による問診、血液検査(テストステロン値の測定)、尿検査などを確認した上で症状の原因を確認していきます。
この男性更年期障害の検査方法はいくつかあり、健康保険が適用される検査の場合は5000円程度で検査することができ、保険適用外の検査を受ける場合は2万円〜3万円程度の費用でより詳しく症状を調べることも可能です。
状況や経済的な要素を考慮した上で自身に合った検査方法を見つけてください。
治療費用
検査によって男性更年期障害の症状と認められた場合は、テストステロン注射やテストステロンクリームを用いたテストステロン補充療法を行うのが一般的です。
この治療内容は症状や患者の体質によって異なっていて、治療期間もそれに応じて変化していきます。
治療費用は、健康保険が適用される場合だと1回の治療で5000円程度の費用となっていますが、自由診断の場合は治療に掛かる費用も大きく変わってきますので、受診する医療機関で事前に確認しておくのが望ましいと言えます。
男性更年期障害の治療方法
男性更年期障害は、病院で正しい治療を行うことで改善が見込める病となっていますので、専門医による正しい診断を受けた上で更年期障害を改善されるための適した治療を行うことが重要となっています。
なので、それぞれの症状を緩和させる治療だけでは更年期障害そのものは改善されることはありません。
また、男性更年期障害はホルモンバランスの乱れの度合いによっても治療方針が異なってきますし、受診者の体質によっても変化していきます。
これらを踏まえまして、ここでは更年期障害の治療方法についての情報をお伝えしていきます。
ホルモン補充療法
男性更年期障害の治療方法は、男性ホルモン補充療法があり、重度のうつ状態の場合などは抗うつ剤や安定剤での薬物療法も受けられます。
男性ホルモン補充療法は、低下して足りなくなってしまった男性ホルモンであるテストステロンを注射、飲み薬、塗り薬などで補充していくことで改善を図ります。
この男性ホルモン補充療法を始めると、個人差はありますが3ヶ月から半年程度で効果が現れる方が多く、1年程度の治療で正常値の50%〜90%くらいまで回復する方が多いので、根気強く治療を受けることが大切になっています。
漢方治療
テストステロン値がそれほど低くない場合やホルモン補充療法が行えない場合は、漢方薬を用いた治療法を行う場合があります。
この漢方治療は身体への負担が少ないというメリットがあり、患者の体質に合わせて漢方薬を処方することも可能となっていますので、体質や症状に合わせて改善を目指すことができます。
また、男性更年期障害は複合的に症状が現れるケースが多いのですが、漢方薬は様々な症状に対して同時に緩和することも可能となっています。
この漢方治療は、上記でもお伝えしたようにテストステロン値がそれほど低い状態ではなく、男性更年期障害の症状としては軽度の場合にのみ有効な治療法となっていますので、更年期障害の治療方針は専門医の指示に従ってください。