基礎体温は更年期になると少しずつ変化していきます。それはどのように変化していくものなのでしょうか。
きちんとつけることができるのなら、その内容を理解して、付けることによるメリットを生かしていきたいものです。
日頃から自分の体を理解しておくと、いざというときに安心ですし、焦ることなく対処していくことも可能となります。
基礎体温や生理周期とともに、うまく付き合っていけるとよいです。
目次
更年期になると基礎体温はどう変化する?
女性の健康のバロメーターと言われる基礎体温ですが、更年期になると変化することはあるのでしょうか。
またどのような変化をすることが多いのでしょうか。
高温期低温期が短くなる
女性ホルモンとは、エストロゲンという低温期に分泌が増加するホルモンと、プロストロゲンと言われる高温期に分泌が増加するホルモンが増減を繰り返しながら、生理周期を繰り返しています。
更年期障害になってくると、これらのホルモンの分泌が次第に減ってくると考えられます。
女性の正常な生理周期は25日から38日と言われていますが、仮に28日で計算すると、排卵から生理までの期間は14日プラスマイナス2日前後と決まっていますので、生理から排卵までの期間が14日と考えられます。
この生理から排卵までの14日と排卵から生理までの14日の期間がホルモンの分泌が少なくなることになり、期間が短くなってきます。
このことにより生理周期が短くなることが考えられて、低温期や高温期の期間が短くなることから、生理が頻発に起こるようになることもあります。
女性の体は急激に変化するわけではなく、だんだんホルモンの分泌が減って変わっていくことになります。
生理が頻発に起こると思ったら、急に元の周期に戻ったりすることもありますし、不安定な状態が続くこともあります。
高温期低温期の差が無くなる
低温期に分泌されるエストロゲンと高温期に分泌されるプロストロゲンは、やがて分泌される量が減ってくると、高温期と低温期の体温の差が減ってくることになります。
生理が通常にある温度の差は0.3度くらいと言われており、基礎体温を測っていると、その差がはっきりわかるようになってきます。
一般的には平熱は36.5以下、高温期はそれ以上の37以下になることが多いですが、個人差はあります。
低温期から高温期に変わる前後くらいのときに排卵しているのですが、グラフをつけていると排卵日は予測しやすくなります。
基礎体温のグラフは、低温期と高温期の差がわかりにくくなるようになり、どこで排卵しているか気づきにくくなります。
妊娠を望むカップルは、基礎体温で排卵日を予測することが昔からありますが、このようなグラフですとなかなか予測することができません。
ホルモン分泌異常も考えられますので、婦人科に相談が望ましいです。
排卵が無くなり高温期にならなくなる
そしてエストロゲンやプロストロゲンという女性ホルモンの分泌自体の量が減ってくると、やがて低温期や高温期の温度の差もなくなって、基礎体温のグラフが上下しないで一定になります。
これは女性ホルモンが分泌しなくなって、排卵しなくなっているという意味です。
更年期の生理は、いきなりなくなるわけでなく、アンバランスな状態を繰り返しながらやがてなくなることも多く、生理が着たり来なかったりを繰り返しながら、やがてなくなっていくこともあります。
このころの基礎体温のグラフは、上下しないで上がることも下がることもありません。そして女性の体は閉経に近づいていきます。
更年期ごろではない女性で、基礎体温の差がなく体温が一定の場合は、無排卵という状態の可能性が高いです。
正常に排卵していないという状態ですので、婦人科の医師に相談の上、適切なホルモン補充などの治療の選択をすすめられることが多くなります。
そもそも基礎体温とは?基礎体温をつけるメリット
基礎体温とは女性ホルモンの増減とともに変わるものなのですが、これをつけることにメリットはあるのでしょうか。
毎日きちんと測って、よく理解していると役に立つことがあるようです。
生理の日を予測する
女性の生理は正常ですと一週間くらい続きます。
その期間激しい運動は控えたほうが良いですし、公共の温泉などは入ることができません。
基礎体温を数か月付けていると、自分の生理の予測がつくようになります。
女性の場合人によりますが、生理痛も重い人がいて、腹痛や頭痛に悩まされる人もいます。
このころに無理な予定などを入れると、鎮痛剤が手放せなかったり、楽しむことがなかなかできません。
自分の生理の日をあらかじめ予測することで、旅行や強行なスケジュールを入れるのをやめて、のんびり過ごすスケジュールにすることが可能です。
無理をして貧血になったりするのもよくないですので、生理痛が重い人は安静にしておいた方が安心です。
妊娠を希望するカップルが排卵日を予測する
基礎体温を気にかけるきっかけに、妊娠を希望しているカップルがつけるようになることがあります。
基礎体温が上下する前後2日くらいの間に排卵が起こっていますので、その日を予測しておくと妊娠しやすくなります。
なかなか妊娠できないカップルは、婦人科に行くこともありますが、そのときも基礎体温表を持参する用意言われることもあります。
婦人科の医師がきちんと生理が起きているか確認しやすくなるためです。
妊娠しやすい日を予測するために自宅でできることは、そのほかにも排卵検査薬という尿検査できるものも市販でありますが、これらのものを併用していくともっと排卵日を予測しやすくなります。
基礎体温計は、ドラックストアで購入することができて、通常の体温計とは少し違います。
体温の記録ができるものや、朝一の忙しい時に測るものですので、短時間ではかることができるものなどが、販売されています。
基礎体温表は、ネットなどでダウンローとすることも可能です。
生理周期を理解する
女性の体は女性ホルモンによって、状態が変わるといえます。
低温期のエストロゲンの分泌時期は女性が健やかに過ごせて、ダイエットにも向いている時期と言われていますし、逆にプロストロゲンの分泌が多い高温期はイライラしやすく便秘になり、痩せにくいともいわれるほどです。
これらの傾向をあらかじめ予測しておくことで、自分のスケジュールに生かすこともできます。
効果が出にくい時期にダイエットをしていても逆にストレスがたまるだけですし、効果的な時期にしたほうが結果は出やすいといえます。
また基礎体温をつけることで、自分のホルモンの周期がわかり、正常に生理が来ていることがわかりやすいです。
医師にも自分の状態を伝えやすいですし、自分の健康を意識しやすくなるといえます。
基礎体温自体は、朝一番起きる前にベッドの中ではかることとなり、通常の測り方とは違って少し面倒ですが、自分の体を守るためには必要なことといえます。
感情に振り回されたり、頭痛が多い時期でも、これは生理前の不調なんだと思えば心が軽くなりますし、いざ生理が始まってしまうと驚くように落ち着くこともあります。
このように自分の体を理解していくと、振り回されることなく穏やかに過ごせるようになります。