更年期障害の悩みとしてよく取り上げられるのが、物忘れがひどくなるということです。
そこでこの記事では、更年期になると物忘れがひどくなってしまう原因について解説し、更年期の物忘れを予防するための方法についても紹介します。
更年期に入った方や物忘れが多くなったと感じている方はぜひ参考にしてください。
目次
更年期になると物忘れがひどくなるって本当?
更年期に入ったことで物忘れがひどくなったと感じる人は多くいます。
なぜ更年期障害になると物忘れするようになってしまうのでしょうか。
物忘れの症状が出るようになるのは、更年期に入ったことによる身体の変化が関係しています。
ここでは更年期障害の物忘れの原因となる身体の変化や衰えについて解説します。
更年期に入った方はぜひ物忘れについて理解しておいてください。
加齢による脳機能の低下
更年期に入ると物忘れがひどくなってしまう原因のひとつが、歳をとったことによる脳の機能の衰えです。
年齢を重ねるとどうしても若いころよりも脳の機能が衰えてしまい、物覚えが悪くすぐ忘れてしまうようになります。
そのため更年期に入って物忘れがひどくなるのはある程度仕方のないことです。若いころのような記憶力がなくなったからといってすぐに認知症などを疑う必要はありません。
脳の機能が衰えてしまうのは年齢とともに生活習慣が悪くなってしまうことや、運動不足になってしまうことも影響しています。
脳を活性化させるように脳トレーニングをしたり、運動の習慣を付けるなどすることである程度脳の機能が低下するのを防ぐことができます。
更年期障害になって物忘れがひどくなるのは、脳も歳をとっている以上どうしても起きてしまうことなのです。
忘れてしまったという自覚があるのならそれほど重度の物忘れではなので安心して大丈夫です。
アルツハイマー病
更年期に入ると物忘れがひどくなってしまう原因のひとつが、よく知られているアルツハイマー病です。
人間は更年期に入ったころから脳内にアミロイドベータというタンパク質がたまりやすくなっていきます。
通常は脳鯛のタンパク質は睡眠中などに排出されているのですが、年齢を重ねるごとに脳内にたまる量が増えていってしまいます。
タンパク質が増加することによってアルツハイマー病になってしまい、物忘れの症状が出るようになります。
新しい物事を覚えられないといった症状や、時間や場所が分からなくなったり上手く言葉が出てこないといった症状が現れます。
重い症状になると幻覚を見てしまうこともあります。アルツハイマー病は現在では改善が可能になっていて、脳に刺激を送り込むことで記憶能力を取り戻すことができます。
日常生活に支障が出るような物忘れを感じたら、アルツハイマー病ではないかと疑ってみてください。
ホルモンバランスの乱れ
更年期に入ると物忘れがひどくなってしまう原因のひとつが、ホルモンバランスが乱れて不安定になってしまうことです。
ホルモンバランスの影響で物忘れがひどくなるのは特に女性に多く見られる症状となっています。
更年期になるとエストロゲンというホルモンの分泌量が不安定になり、エストロゲンの量が少ないときに気分が落ち込んだり記憶力が低下したりすることがあります。
エストロゲンは神経伝達物質の働きを活性化させる役割を持っているホルモンであるため、エストロゲンの分泌される量が減ることで脳の処理能力が低下してしまい、物忘れをするようになってしまうと考えられています。
更年期に入った女性の多くはホルモンの分泌量にゆらぎが発生してしまい、エストロゲンの量が不安定になります。
そのため更年期に物忘れがひどくなるのは女性に多く見られます。
更年期障害の物忘れの予防法について
更年期に入ると物忘れがひどくなってしまうのはなぜか、その原因について取り上げました。
更年期の物忘れの症状はある程度予防したり改善することができるので、更年期に入った方や物忘れが気になるようになった方はぜひ参考にしてください。
更年期による物忘れを普段から予防して、日常生活の中で困ることのないようにしましょう。
運動の習慣をつける
更年期による物忘れを予防するための方法のひとつが、普段から運動する習慣をつけることです。
運動をすることで身体全体の血行や代謝を改善することができ、脳内をめぐる血行も良くなります。
脳の記憶に関わっている部位は血液の量が多く、血行が悪化すると働きが低下してしまいます。
そのため普段から運動の習慣をつけて脳の血行を促進することで、更年期に入ってからの物忘れを予防することができます。
あまり負担の大きな運動をしても続かないので、まずは毎日続けられる程度の軽めの運動から始めましょう。
誰でもできるおすすめの運動としてはウォーキングがあげられます。早歩きを20分から30分程度続けるだけでも血行を改善する効果が期待できます。
強い負荷をかけるハードな運動をするのではなく、ゆっくりでもいいので有酸素運動をするよう意識してください。適度な運動は更年期障害のストレスを解消するのにも効果的です。
人と会話する機会を作る
更年期による物忘れを予防するための方法のひとつが、日常的に他の人と会話することです。
会話によるコミュニケーションで脳を働かせることで、脳の機能が衰えてしまうことを予防できます。
一人きりで誰とも話さずぼんやりと過ごしていると脳への刺激がほとんどなくなってしまい、記憶力の低下につながります。家族や友人と会話をして脳を活性化させましょう。
また、旅行などをして行ったことのない場所を訪れ、現地の人と交流するのも脳への刺激になって物忘れの予防に効果的です。
新しい体験をすることは脳への大きな刺激になり、脳の機能が低下するのを防ぐことができます。
コミュニケーションを取る際には相手の話を聞いているだけではなく、自分の方からも積極的に言葉を発するようにしてください。
人と会話する習慣をつければ脳の働きが良くなり、言葉が出てこないといった症状もなくなります。
不足しているホルモンを補う
更年期による物忘れを予防するための方法のひとつが、更年期に不足しがちなホルモンを補充することです。
女性の物忘れの原因として特に多いのが、エストロゲンというホルモンの分泌量が不足することです。
更年期に入るとどうしてもホルモンバランスが崩れてしまい、エストロゲンが不足して記憶能力に悪影響が出てしまいます。
同時に精神的なストレスを感じたり、うつ状態になってしまうこともあります。
そこで経口薬や塗り薬を利用して体内にエストロゲンを補充することで、脳の機能を高めて物忘れを予防することができます。
女性が更年期に入ったと同時に記憶力が下がったと感じたら、まずは婦人科に相談してください。婦人科で診断してもらうことでホルモンの補充療法が受けられます。
自分に適した量や方法でエストロゲンを取り入れることで、更年期の物忘れを防ぎましょう。ホルモンバランスが整えば記憶力だけでなく、精神的な問題も解消できます。